くろまめマスターのブログ

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新型コロナワクチン集団接種の仕事をしてきた① 2021年6月12日

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受付開始前のワクチン接種会場

こんにちは、くろまめマスターと申します。


新型コロナワクチン集団接種の仕事を、医師枠で参加する機会をいただきましたので、現場での様子をご報告します。

今後新型コロナワクチン接種を検討されている方の参考になれば幸いです。

 

新型コロナワクチン集団接種の概要

会場:某市内体育館

日時:2021年6月12日 午前:9:30~13:00  午後:14:00~17:30

ワクチン接種人数:1122人(対象者:65歳以上の高齢者、医療従事者、高齢者施設スタッフ)

医療スタッフ:医師5名、看護師26名

使用ワクチン:ファイザー社製

救護室利用:2人(そのうち治療を要した人数:0人)

ワクチン集団接種-全体の流れ-

まずは全体の流れを説明します。

来場者は手指消毒し、まずは待合に案内されます。

渡された番号札を首にかけ、呼ばれるのを待ちます。

その後番号を呼ばれたら医師のいる問診ブースに案内されるので、そこで問診票や持病や内服薬、アレルギー性疾患の確認が行われます。

それからワクチン接種ブースに移動し、接種を受けます。

その後待機スペースに移動し、15分(アレルギー性疾患をお持ちの方は30分)過ごしていただき、体調に問題なければ帰宅となります。

 

ワクチン集団接種-問診ブースについて細かく説明-

引き続き、問診ブースでの内容を少し細かく説明します。

20分ごとに70人が受付を通られますので、医師5人で1人ずつ問診していくためには1人当たり1分半~2分以内に問診を済ます必要があると、事前に説明を受けています。

番号を呼んでからブースに入るまでの時間が含まれているので、実際話を聞いている時間はそれより短くなります。

とはいえ特別注意が必要な方は少ないので、持病のない方は概ね1分程度で終了し、余った時間は持病やアレルギーをお持ちの方から話を聞く時間に割く感じです。

問診ブースで確認されることは主に3点

こちらから確認する内容は、おおむね以下の3点です。

  1. 血が止まりにくい病気の有無、また血液をサラサラにする薬を使っているか。
  2. 過去にアレルギー症状を経験したことがあるか。
  3. 過去に注射や点滴で気分が悪くなったり、倒れたりしたことがあるか。

 

1. については、必要な方は注射後に圧迫止血を長めにするかどうか判断します。

2. については、接種後の経過観察を15分か30分かを判断します。

3. については、ベッド上やリクライニングチェアでの接種が必要か判断します。

いずれも問診票に記載する項目があります。

基本的な医師の作業は問診票の確認なので、問診票に詳細を記入していただくと助かります。

またみなさん緊張されると思いますので(実際、緊張されている方が多いです。会場自体、緊張感が漂っている影響もあると思いますが…)、気になることは事前に記入していただく方が、聞き忘れがなくなり良いと思います。

よく聞かれた質問について 

実際によく聞かれた質問内容を2点紹介します。

  1. 痛み止めは使っていいですか。
  2. 会場で薬はだしてもらえますか。

痛み止めや解熱剤は使用可能か

痛み止めや解熱剤ついては、使用しても良いことを厚生労働省が提言しております。

ワクチンを受けた後に熱が出たら、どうすれば良いですか。|新型コロナワクチンQ&A|厚生労働省

またファイザー社が行った大規模臨床試験では、多くの被験者が解熱鎮痛剤を使用しています。

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/nejmoa2034577

ここからは私見ですが、過去に使用してアレルギー反応(湿疹、嘔気、気分不良など)がなかった解熱鎮痛剤については、使用して問題ないと思います。

また1回目に痛みや熱がでた方は、2回目投与時には、あらかじめ食後に解熱鎮痛剤を内服して備えていた方も多いです(特に医療従事者)。

解熱鎮痛剤を初めて使用する方については、使用を控えた方がいいかもしれません。コロナワクチンに限らず、解熱鎮痛剤によるアレルギー反応が起こる可能性もあるからです。

とはいえアレルギー性疾患をお持ちでない方は、解熱鎮痛剤内服によるアレルギー反応は基本的には少ないので、痛みや熱をどうしても抑えたい場合は、そのメリットを優先し内服してもいいかと考えます。

会場で薬は出してもらえるか

いわゆるアナフィラキシー反応(15分~30分以内に発生する、可及的な治療を要するアレルギー反応)にはもちろん対応できますが、軽症と判断できるものについては投薬の対象になりません。というより、会場には点滴で使用する薬は常備されてますが、内服薬はありませんでしたので(当会場だけかもしれませんが…)、薬を持って帰ってもらうこと自体が物理的に不可能です。

もしかすると、かかりつけ医や医療機関でのワクチン接種の方が、体育館と比べれば柔軟に対応いただけるかもしれません。

ただしワクチン接種後に15分間~30分間の経過観察を行っておりますので、その間に気になる症状があればスタッフに声かけしてください。実際、待機場所には看護師や市職員など十分なスタッフが配置されておりました。

救護室を利用された方について 

救護室を利用された方は午前中は0人、午後は2人だけでした。

2人とも2回目の接種であり、1回目に少しのどの違和感を感じられたため、念のためアナフィラキシー発症に備えて救護室で待機されていましたが、何もなく帰宅したとのことでした。医療行為が必要となる症状はありませんでした。

 

ちなみに、1回目の接種をすでに終わられた方から、1回目の接種の時に異常があったかどうかの確認も問診ブースでさせていただきました。

統計はとる余裕がありませんでしたが、おおむね何ともない、筋肉痛があった、熱やだるさがあったという3パターンでありましたが、いずれも数日で軽快したとのことでした。

その中で面白いお話しをされた方がいらっしゃったので最後にご報告します。

問診ブースでの、あるワクチン接種者との会話

ご高齢の男性「1回目のワクチンを打った2日後に耳が痛くなって、耳鼻科に行きました。」

私「耳ですか?それで、どう言われたのですか?」

男性「よくこんなにも"耳くそ"を貯めてましたねーと言われ、取ってもらったら耳の痛みが治ってスッキリしました。実は今まで耳くそ取ったことがなかったんですよ。ハッハッハー!」

 

一本とられた、とはまさにこのことであり、思わずズッコケました。

ワクチンで耳が痛くなる原因を考えながら聞いていたのですが、まさか耳くそだとは…予想できませんでした。

まとめ 

新型コロナワクチン集団接種について、実際にスタッフとして経験した内容を説明させていただきました。

全体的に非常にスムーズに進み、滞りなく終了した印象です。

接種会場において、医療介入を必要とする方はおらず、みなさん無事に帰られました。

当日キャンセル分については、市職員に接種することでワクチンの無駄はなかったようです。

医師5人、看護師26人態勢ですが、市職員の方が非常に多く常駐されていましたので、各所で案内役としてブース間の移動などを円滑に行っていただいたことが、スムーズにワクチン接種が進行できた要因と思います。

 

以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。