くろまめマスターのブログ

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夜間排尿とその対策について-あなたは夜中にトイレで目が覚めてませんか?-

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こんにちは、くろまめマスターと申します。

 

今回は夜間頻尿について解説させていただきます。

夜間頻尿とは、夜中に排尿で1回以上トイレに行く必要がある状態を表します。

男女や年齢層を問わず頻度が高いですので、当てはまる方は多いはずです。

夜間頻尿が日々の生活に悪影響を及ぼすことは証明されておりますが、最近では死亡との関連性も推測されているのです!

そんな夜間頻尿についての最新の知見や対策、治療をできるだけ分かりやすく解説していきますので、ぜひご覧ください。

 

 

夜間頻尿に悩んでいる人は多い?

日本排尿機能学会によると、夜間頻尿は尿のトラブルでは最も多い症状であり、年齢が上がるほど増えていくということです。

また国内の大規模疫学調査においても、男女ともにほとんどの世代で夜間頻尿が最も多い尿のトラブルとして確認されています。

 

つまり夜間頻尿は誰もが経験し得ることなのであります。

 

持病と関係している?

夜間頻尿と関係している要因としては、年齢以外にも高血圧・糖尿病・肥満・睡眠障害との関連が指摘されています。

高血圧と夜間頻尿

高血圧については、男性よりも女性の方が夜間頻尿との関連が強いと言われています。

高血圧が夜間頻尿を起こす原因の一つとしては、日中の交感神経過活動があります。

自律神経には交感神経(緊張した状態)と副交感神経(リラックスした状態)があります。

交感神経はおしっこの出口の筋肉をギュッとしめて尿を貯めます。

副交感神経は逆に貯めたおしっこを外に出させようとさせます。

高血圧によって交感神経が活発になり、日中は尿を貯める方向に働きます。

日中の活動がひと段落した夜間になると、副交感神経が活発になり、日中に出さなかった尿が夜間頻尿として出されるようになるのです。

 

また塩分の取りすぎで血圧が上がる方などは、夜間におしっこと一緒に塩分を出そうと体が働くことで夜間頻尿となります。

 

それ以外にも血圧を下げる薬(女性ではカルシウム拮抗剤、男性ではループ利尿薬)が夜間頻尿と関連している可能性が示唆されています。

 

糖尿病と夜間頻尿

糖尿病で血糖値が異常に高くなると、血液の中の糖を水分と一緒に外へ出そうと体が働きます。その体の反応によって、尿の量が増えたり回数が増えますので、夜間頻尿の原因となるのです。

また糖尿病によって膀胱の働きが弱まり、過活動膀胱(膀胱にそれほど尿がたまってないのに、勝手に尿を出そうとする)や低活動膀胱(いっぺんに尿を出せず、ちょろちょろ出る)により夜間排尿を引き起こします。

最近よく使用されるようになった糖尿病薬のSGLT2阻害薬についても、夜間頻尿の原因となる可能性が示唆されています。

 

睡眠呼吸障害と夜間頻尿

睡眠呼吸障害とは、代表的なものは睡眠時無呼吸症候群です。

つまり、寝ている間に急にいびきが止まって、近づくと息が止まっているため周りの家族がびっくりするやつです。

この病気でも利尿ホルモンが分泌されたり、酸素不足が過活動性膀胱を引き起こすことで夜間頻尿の原因となると言われています。

 

夜間頻尿への対策

夜間頻尿の治療としては、大まかに薬を使わない治療(行動療法)と、薬をつかう治療(薬物療法)があります。

以下でそれぞれ解説していきます。

行動療法

飲水に関する指導

夜間の過剰な飲水やアルコール、カフェインは夜間多尿の原因となります。

適量の水分(飲水量の適量とは、「1日の尿量が体重1kgあたり20ml~25ml」とはいわれていますが…分かりにくくてすいません)やアルコール、カフェインは避けるようにしましょう。

塩分制限、食事

塩分摂取を減らすことで、夜間の排尿回数や尿量が減ることが夜間頻尿診療ガイドラインで示されています。

運動療法

夕方や夜間に運動(散歩、スクワット、ダンベル運動など)することで、体に余分にたまっている水分が筋肉のポンプ作用で排出しやすくなり、入眠前におしっこで出しておくことができるようになります。

その他

日光浴や弾性ストッキングの使用、足を少しあげて昼寝すること、また利尿剤の服用時間を昼に変更する、禁煙なども有効であることが報告されています。

また睡眠時無呼吸症候群による夜間頻尿については、持続陽圧呼吸療法が有効です。頻尿以外の症状の改善も期待できますので、ぜひ呼吸器科を受診してみてください。

 

薬物療法

夜間頻尿の原因となる要因は様々であり、薬物療法に関しては原因に応じた投薬が必要となります。

行動療法によって改善が認められない場合は、泌尿器科など医療機関を受診されることをお勧めします。

 

まとめ

おしっこは健康状態を知る指標となります。

日本人は男女を問わず夜中に1回はトイレに起きていますが、2回・3回と増えてきたら要注意です。

スウェーデンからの報告では、70歳以上の男性で「夜中に3回以上トイレに起きる人は、2回以下の人と比べて死亡率が約2倍上昇する」といわれます。

これは夜間頻尿によって死亡率が高くなるわけではなく、夜間頻尿の原因として寿命を短くする病気が隠れている場合があるからと考えられます。

「年のせいだから仕方ない」とあきらめずに、生活習慣の見直しや行動療法を実践しつつ、泌尿器科など医療機関を受診することも検討しましょう。

 

以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。