くろまめマスターのブログ

あなた自身が名医です。自分の体の声を聞いてみましょう。

フレイル?サルコペニア?実はこれ、子供の介護を必要とせず、健康で過ごすために必要なキーワードです。

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こんにちは、くろまめマスターと申します。

今回は「フレイル」と「サルコペニア」について簡単に説明させていただきます。

 

平成28年国民生活基礎調査によると、高齢者に介護が必要となる原因の第一位は認知症であり、第二位は脳卒中とのことです。

そして今回注目するところは第三位の「高齢による衰弱」です。

最近、”高齢による衰弱”と”フレイル””サルコペニア”との関連がよく言われるようになってきました。

フレイル、サルコペニアを予防することで、子供に介護されずに生き生きと長生きすることができるので、以下で解説していきます。

 

 

フレイルとは?

フレイルとは虚弱と訳されます。

高齢になって脳、内臓、骨が弱まることで、様々なストレスに対して耐えられなくなった状態です。

そして、”健康な状態”と、”自立した生活ができずに介護が必要な状態”の中間地点に当てはまる状態と言われます。

ただし、その状態から立ち直ることができるということが日本老年医学会から強調されています。

フレイルの原因

”糖尿病などの生活習慣病”、”脳や心臓の病気”、”がん”、”たくさん内服薬を飲んでいる”、”視力・聴力の低下”、”運動不足”、”低栄養”、”独居・孤立”などがあります。

フレイルを予防する対策については、これらの原因を回避することになります。

具体的な方法については後述します。

自分はフレイル?

フレイルと診断する方法はいくつか方法がありますが、最も簡単な方法をご紹介します。

簡易フレイルインデックスと呼ばれるもので、以下の項目をチェックします。

  • 6か月間で2-3kgくらい体重が減ったか はい→1点
  • 以前に比べて歩く速度が遅くなってきたと思うか はい→1点
  • ウォーキングなどの運動を週に1回以上しているか いいえ→1点
  • 5分前のことが思い出せるか いいえ→1点
  • ここ2週間くらい、わけもなく疲れたような感じがするか はい→1点

この5項目で、3点以上であればフレイルである可能性が高いことになります。

サルコペニアとは?

年齢とともに筋力は低下するものです。

20-30歳代と比べると、70-80歳代では約30-40%も筋力が低下すると言われます。

そしてこの筋力低下によって体の機能も低下し、転倒や入院、死亡が起こりやすくなることが証明されました。

そのためサルコペニアとは、”体の機能が低下する””生活の質が低下する””死のリスクを伴う”ほどまで筋力が低下した状態のことを言います。

サルコペニアの原因

サルコペニアの原因としては、以下が挙げられます。

  • 加齢に伴う成長ホルモンの低下などで筋肉が壊れやすく、また再生されにくくなる
  • 低栄養、とくにタンパク質不足や抗酸化作用の高い食品の摂取が足りない
  • がん、慢性的に炎症が持続する疾患(リウマチ、膠原病など)、持病による内臓機能の低下

自分はサルコペニア?

サルコペニアの診断には、握力、歩行速度、骨格筋量を計測します。

男性で26kg以上、女性で18kg以上の握力があれば、サルコペニアではありません。

しかしそれ以下であれば要注意です。

厳密には骨格筋量の測定が必要であり、トレーニングジムなどに置いてある高機能の体脂肪計を用いる必要があります。

ここでは握力を基準に考えていただければと思います。(なかなか握力を測ることもないかもしれませんが…)

握力は左右交互に2回ずつ測定し、最高値で判断してもらってかまいません。

世界17か国、合計15万人(年齢35歳~70歳)を対象として2015年に行われた研究では、握力が5kg低下するごとに「死亡リスク」が16%上昇し、その中で「心臓関連死亡リスク」が17%上昇する、「脳卒中のリスク」が9%上昇すると報告されました。

このことからも、筋力を維持することが健康には非常に大事であることが分かります。

フレイル・サルコペニアの予防法

共通する予防法

タンパク質の適切な摂取

フレイル・サルコぺニアの予防には高齢者であっても、1日で体重1kgあたり1.0g~1.2gのタンパク質が必要になります。

すでにフレイル・サルコぺニアの基準を満たす場合は、体重1kgあたり1.2g~1.5gのタンパク質摂取が必要になります。

注意点としては、重い腎臓機能の低下がある場合は、タンパク質の取りすぎは良くないため、体重1kgあたり1.0g程度にとどめておく必要があります。

 

レジスタンス運動と有酸素運動

レジスタンス運動

レジスタンス運動とは、筋肉に軽い負荷をかける運動を繰り返し行うものです。

具体的には椅子スクワットや、かかと上げなどがあります。

”レジスタンス運動”で検索すると、いろいろなタイプの運動がでてきますので、自分の生活で可能なものを取り入れてください。

テレビを見ながらでも、このブログを読みながらでもレジスタンス運動できますよー!

有酸素運動

有酸素運動とは、だれかと話しながらでもできる運動です。肩で息するほどの運動は必要ありません。ジョギングやウォーキング、サイクリングやエアロビクスなどが該当します。

 

レジスタンス運動についてはすきま時間で、有酸素運動については週に2-3回程度、1回15分程度から始めてみてください。

外出する

外出して日光にあたることで、皮膚でビタミンDが生成されます。

ビタミンDは骨を健康に維持してくれますので、フレイル・サルコペニア両方によって予防効果が期待できます。

フレイルに対する対策

社会参加する

フレイルには独居や貧困など社会的な要因もあると言われます。

社会との接点がなくなることで、精神・心理的な機能が低下するからです。

そのため、仕事だけではなく、友達との交流やボランティア活動、町内会の行事など社会とのつながりを継続することができる高齢者ほど、フレイルになりにくいと言われています。

嚙む力を鍛える

噛む力が衰えると、食欲や食べ物を飲みこむ力が低下し、低栄養になってフレイルにつながります。

よく噛んで食べることや、定期的な歯科受診で入れ歯の調整や歯周病の予防・治療が大切です。

不要な薬を飲んでいないか確認してもらう

これは医師側で判断する必要もあることですが、薬が多いこととフレイルには関連があると言われます。

不要な薬を飲んでいる例①

それほど血圧が高くないのに血圧を下げる薬が処方されている→それにより低血圧となり立ちくらみ、めまいがする→そのため、めまいの薬が処方されている

このケースは血圧を下げる薬はそもそも不要であり、血圧を下げる薬を飲まなければめまいも怒らないので、めまいの薬も不要です。

不要な薬を飲んでいる例②

コレステロールが高くなった→コレステロールを下げる薬を処方された→副作用で筋肉痛が生じた→痛み止めが追加された→痛み止めの副作用で足がむくみができた→むくみをとるために利尿剤(おしっこを増やす薬)が追加された→脱水で入院。

このケースについては筋肉痛がコレステロールを下げる薬の副作用であることに気が付けば、痛み止めや利尿剤、または入院も不要です。

副作用対策としてはコレステロールを下げる薬を変更するだけでよく、他の薬は不要です。もちろん入院も不要のはずでした。

 

実はこのようなケースは決して稀なことではありません。

終了できそうな薬がないか、担当医に確認することが必要です。

また医師に質問しにくいという方もいらっしゃいますが、その時はかかりつけ薬局の薬剤師と相談することも可能です。

2018年からは、薬局が医療機関とかけあって2種類以上の薬を減らせられた場合、薬局に少し報酬が上乗せされる仕組みになりました。

薬が多すぎる患者を救済する仕組みですので、薬局にもメリットがあります。

この薬は必要なのかな?と感じたら、医師またはかかりつけ薬局の薬剤師に質問してみてください。

 

サルコペニアに対する対策

共通する予防法で紹介した方法を実践する必要があります。

サルコぺニアと診断された高齢者に対して運動(レジスタンス運動と有酸素運動)と栄養(タンパク質の摂取)を行うと、3か月間で足の筋力と歩行速度が改善したと報告されています。

運動と栄養、どちらか片方だけでは改善しませんでした。両方実践することが必要です。

まとめ

フレイルとサルコペニアについて解説しました。

フレイル、サルコペニアによって加齢による衰弱が起こり、そして介護が必要な状態になってしまいます。

 

島田紳助さんが自身の著書で、「老後にはお金以外に筋肉と友達が必要」とおっしゃっていました。

これはまさに、フレイル・サルコペニア予防の考え方と同じなのです。

説明させていただいた運動の方法、栄養の取り方、社会とつながりをもつことなどを実践することで、健康寿命を延ばしていきましょう!

 

「知ってる人は知っている、知らない人は覚えてやー」(紳助さん出演の某CMより)

以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。