こんにちは、くろまめマスターと申します。
病院には日々さまざまな患者さんが来られます。
病気に対する考え方は人それぞれであり、こちらが勉強させてもらうことも多々あります。
その中で個人的に感銘を受けた患者さんとのエピソードをお話し、「健康に不安を感じる人生から、安心して最後を迎えられる人生」へと変化する助けになれば幸いです。
今回は病院に通院している80歳の女性です。
普段は老人介護施設に入所されており、3か月に1回娘さんと一緒に来院されます。
いつも元気で楽しくお話される方ですが、先日は診察室の扉を開けると開口一番、
「健康でーす!」
とこちらが質問する前に笑顔でお話されました。
車いすを押す娘さんも、それを聞いて笑顔になり、一瞬で部屋が明るい雰囲気に包まれました。
肝臓の働きが低下する、いわゆる肝硬変の状態であり、また足が不自由で車いすでの生活を余儀なくされている方とは思えない振る舞いではあると感じましたが、それはこちらが一方的に決めつけた病人のイメージと違っているというだけに過ぎないことを痛感しました。
本人が健康と思っていれば、健康なのです。
100歳を超えても現役で診療されていた日野原重明先生の著書には、「人間というものは、生まれながらに全部整っているということはありえない。ハンディキャップがあっても、生きがいを感じられれば健康者といえる」という話があります。
人間には欠点があるのが当然。それを受け入れて自分に優しくしてあげることができれば、純粋に他人に優しくできるようになるものです。
そして他人への優しさに基づいた行動は、生きがいにつながると思います。
そうした生きがいを見つけた時には、たとえ自分がどんな病気や不幸に見舞われたとしても、強く生きることができるのではないでしょうか。
自分は日野原先生の話をそう解釈し、自分の欠点を認め、受け入れようと日々挑戦しています。
そしてこの患者さんのように、「健康でーす」と堂々と言える人間になりたいと思う次第であります。
以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。