くろまめマスターのブログ

あなた自身が名医です。自分の体の声を聞いてみましょう。

食欲がない30代女性

こんにちは、くろまめマスターと申します。

最近とある医師相談サイトに登録しまして、自分の専門分野に関する質問に対してお返事させていただいております。

 

実際いただいた質問と、その返事をご紹介させていただきます。

 

今回は30代女性からの質問です。

  • 今までお腹がすいていなくても、子供の食事と合わせて3食食べていた。
  • 空腹を感じたら食べる、感じてなければ少なくするという食事法に変えてみた。
  • 食事法を変えて3日目に、お腹が張ってきた。もともと便秘もあり、浣腸したが便は少ししか出ず、じわじわとした胃の痛みが出てきた。
  • 胃の痛みは続き、いろいろ試したが治らない。
  • 横になれば楽になるが、子育てもありそんなに休めない。
  • お腹が空いても食べたい気持ちがなくなってきた。
  • 食事法を戻すべきか、他に治療法はあるか。

 

前回、不食についてお話させていただきました。

しかしこの相談者さんは、食事を減らすことでかえって体の不調が起こってしまったということです。

 

おそらく腸の動きがもともと弱っており、食事を減らしたことで腸ががんばって動かなくてもすむようになり、ますます腸の動きが弱くなったものと思われます。

 

そして便を押し出す力が弱って食べ物やガスが渋滞を起こし、胃腸の不調を招いていると思われます。

 

育児の疲れやストレスも、胃腸の不調を増やしているかもしれません。

 

一般的に、腸は内容物が多いほうが、それをどんどん押し流そうと一生懸命動きます。

逆に腸の中身が少ないと、押し流す必要性を感じずにあまり動きません。

便秘には食物繊維をとりなさいと言われる理由は、食物繊維は消化されにくく、食べ物の形がそのまま維持されやすいからです。

消化されなかった食物繊維は、溶けずに残ることで腸の中身を増やすことができるので、それを押し流そうと腸の動きが活発化します。

 

また便秘には運動がいいというのは、運動して体を動かし、筋肉を使うことで、腸の動きも活発化するためです。

実際、プロのアスリートは、食べ物が消化吸収される時間が一般の人と比べて段違いに早いと言われています。

運動による筋肉の収縮に伴い、腸の動きが活発になります。

 

そしてお腹を温めることも有用です。

腸への血流を増加させ、腸の動きを活発化させてくれます。

 

 

以上のことをふまえて、まずは冷たい水分を避けて、白湯(さゆ)をすきま時間でちょこちょこ飲むことでお腹を温めることと、腹式呼吸を取り入れてお腹を引っ込ませたり膨らませたりする運動をさせることで、腸の動きを活発化させることを提案させていただきました。

 

すると、意外な答えが返ってきました。

すでに実践しているということでありました。

しかも腹式呼吸をするとお腹が余計に痛んでしまうということでした。

 

相談者さんは、ほかにもナウゼリン(胃腸の動きを促進される)、ビオフェルミン(整腸剤)、酸化マグネシウム(便を軟らかくする下剤)も試しており、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)という漢方薬も試してみたということでした。

 

それでも便やおならはあまりでず、ゲップがでるということなので、腸の流れが弱く、飲み込んだ空気が逆流して口から出ている状態であると思われました。

 

そうなってくると、「機能性胃腸症」という病気の可能性があります。

「胃潰瘍」など他の病気を合併している可能性もあるため、病院受診を勧めつつ(胃潰瘍には病院で処方する西洋薬がよく効きます)、機能性胃腸症によく用いられる六君子湯(りっくんしとう)という漢方薬を勧めさせていただきました。

 

六君子湯は、胃腸の弱りを修復して本来の食欲を戻してくれる作用があります。

また気力を補うこともでき、ストレスを軽減してくれます。

 

そのようにお返事すると、なんとその相談者さんは以前、妊娠中の後期つわりに対して六君子湯を服用されていたということでした。

 

なかなか体の症状や薬の知識をお持ちであり、ただものではないな…と思いましたが、以上のお返事に対して高評価をいただきました(オンライン医療相談のシステムで、対応に対して5段階で評価されます)ので、とりあえず安心した次第です。

 

 

健康法は星の数ほどあります。

相談者さんは食事の量を減らすことに挑戦されましたが、すぐには効果がでず、逆に体調を崩してしまいました。

だからといって、それが間違いとも言えません。

その人の、その時の年齢や体調、環境などで効果が違ってくるものです。

 

ただ一つ言えることは、「癒しの力は、その人自身がうちに持っている」ということです。

その力を最大限発揮させることが、真の意味での健康法であると考えます。

食事療法がすべてではなく、生活習慣、漢方薬や西洋薬も正しく使えば助けになると思います。

皆さんが自分のもっている癒しの力をより強く発揮できるために、今後も情報発信をしていきたいと思います。

 

以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。