くろまめマスターのブログ

あなた自身が名医です。自分の体の声を聞いてみましょう。

脂肪肝の63歳女性

こんにちは、くろまめマスターと申します。

病院には日々さまざまな患者さんが来られます。

病気に対する考え方は人それぞれであり、こちらが勉強させてもらうことも多々あります。

その中で個人的に感銘を受けた患者さんとのエピソードをお話し、「健康に不安を感じる人生から、安心して最後を迎えられる人生」へと変化する助けになれば幸いです。

 

今回は脂肪肝で通院中の63歳女性です。

通院中と言っても、1年に1回血液検査とエコー検査をしているだけです。

とくに薬は飲んでいません。

というより、脂肪肝に効く薬はありません。

食べ過ぎず、適度に運動することが最も効果的な治療法になります。

 

閉経後の女性は太りやすくなるため、脂肪肝に注意が必要です。

そして最も多いのが中年の男性です。

日本人の30%くらいが脂肪肝と言われていますので、身近な病気の一つと言えるでしょう。

 

ただし個人的には脂肪肝は病気というよりは、個性と言ってもいいと思っています。

脂肪肝だけで寿命が縮む人は少ないからです。

最近では「ちょいメタボ」な人くらいが最も寿命が長いという話もあります。

 

ただし、脂肪肝の中には、実際に肝臓に炎症を起こして悪さをする「脂肪肝炎」という病気があるので、区別する必要があります。

ちなみに脂肪肝炎は、脂肪肝の中の3-5%と言われます。

脂肪肝の人が30人いる教室の中では、そのうち1人は脂肪肝炎として将来的に肝臓が弱っていく人がいることになります。

30人に1人が少ないと感じる人は、あまり気にしすぎず楽しく過ごしていけばいいかと思います。

ただし30人に1人だと自分が当てはまる気がして心配という人は、脂肪肝といわれないように生活を気を付ける方が望ましいと思います。

 

話がそれましたが、今回の患者さんは脂肪肝炎が疑われるため、定期的に検査をしています。

他の病院で糖尿病の治療も受けておられ、糖尿病治療も兼ねて1時間程度のウォーキングが習慣になっています。

ところが昨年はコロナ禍の影響で外出できず、ウォーキングもできなかったということであり、今まで安定していた肝臓の血液検査が高値となっていました。

 

肝臓に新たな病気もなく、運動できなかったことが原因であることは明らかであったので、ウォーキングを再開してまた1年後に検査することとしました。

 

そして先日血液検査を再度行うと、肝機能は改善(AST:47→23, ALT:40→17, γ-GTP:75→23)しておりました。

お話を伺うと、ウォーキングだけでなく食事も変えて、なるべく野菜を多くとるよう心掛けたということでした。

当然、血糖値も良くなっており、改めて食事・運動の効能を感じた次第でありました。

 

 

とはいえ、誰しもがこの患者さんのように食事・運動を気をつけられるわけではありません。

ウォーキングに時間をかけれない人は多いと思いますし、もともと運動が苦手な人に、無理に運動させてストレスを加えては元も子もないのです。

 

○○しなくてはいけないと考えると、たとえ自分のためであっても長続きしません。

○○したい、と思えることが見つかると、それを続けるためには健康であることが大事であると気づき、次第に行動が変わっていきます。

 

やりたいことを見つけることが、遠回りのようで実は、健康に過ごすためにまず必要なことであるのです。

 

以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。