2000年前から伝わる健康法

「がんを経験した人は、座って過ごす時間が少ない人の方がより長生きである。」

 

がんの治療後、または治療中のアメリカ人1535人を対象に調査したところ、運動する人、特に座って過ごす時間が4時間以内の人が最も寿命が長いことが分かりました。

逆に、運動しない人や8時間以上座って過ごす人は、寿命が短くなりやすいというものでした。

 

これは今年の1月に発表されたばかりの研究結果です。

しかし「そういうもんだろう」と直感的に感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

「流れる水が腐らないように、いつも体を動かしていれば健康でいられる」

 

こちらは三国志にも登場する中国の伝説的な医師、華佗(かだ)が残した言葉です。

 

約2000年も昔から、健康に過ごすためには運動が大切であることは知られています。

 

運動した方が体にいいことは、今さら研究発表しなくても、すでに誰もが知っているものです。

 

それでも肥満や脂肪肝、その他運動不足が原因と思われる体の不調を抱える方は増える一方です。

その原因の一つに、私たちの生活が便利になり過ぎていることがあるのではないでしょうか。

 

移動手段や通信手段の発達により、家から一歩も出ずにいろいろな用事が済んでしまう便利な世の中になりました。

今後もどんどん体を動かす機会は減っていくでしょう。

 

2000年前から分かっている健康法すら、実践しにくい世の中になっているのです。

 

ちなみに健康法というと、現在では星の数ほどの健康法があります。

しかしその多くは“枝葉”の部分を紹介しているに過ぎません。

 

本当に大切な“幹”の部分は、華佗が言うようにシンプルなものです。

「体を動かす。」

それだけです。

 

 

冒頭で紹介した研究はアメリカのがん患者さんですが、私も自分が担当する肝臓がんの患者さんと接すると、同じ印象を受けます。

 

趣味で飛行機を運転したり、若い人たちを引き連れてバイクの先頭を走ったり、大きなかごを背負って山菜取りにでかけたり…。

ボランティア活動が忙しくて入院できないと言われる方もいます。

 

がんの治療中であっても、趣味や生きがいのためにあちこち出かける方は、長く元気に過ごされる方が多いです。

 

用事もないのに、わざわざ出かける時間がもったいない、と考える必要はありません。

(節約する時間は他にもっとあるはずです。)

その時間は無駄ではなく、健康のための自己投資となるからです。

 

出かけることで、趣味や生きがいを見つけるヒントが得られるかもしれません。

趣味や生きがいがあれば、人はもっと健康になりたくなります。

幸せを感じれば感じるほど、自己治癒力も高まっていきます。

 

とくに目的なく出かけて、成果がなかったと感じたとしても問題ありません。

座って過ごす時間を短くすることで健康的な一日を過ごしたことになるのです。

 

小さなことでもこつこつ用事を作って、外へ出て体を動かしましょう。

これが2000年前から伝わる確かな健康法です。