糖尿病と脂肪肝には、薬よりも優しさが大切

糖尿病と脂肪肝の患者さんが増えています。

健診で指摘されて受診される方も多いです。

病気の原因や対策など、診察室や講演会で説明する内容を書いてみました。

参考になれば幸いです。

 

糖尿病と脂肪肝の原因を理解するためには、「インスリン抵抗性」という言葉を知る必要があります。

専門的な用語になりますが、ヘトヘトに疲れた配達屋さんをイメージしていただければ理解しやすくなると思います。

 

そもそもインスリンとは、食事から得られたエネルギーを、筋肉や肝臓など必要なところにお届けする役割をもつホルモンです。

 

つまり、インスリンとは「配達屋さん」のことであり、配達される荷物は「食事から得られたエネルギー」ということになります。

 

ですので、配達する荷物が多すぎたり(食べ過ぎ)、届け先に必要ないといわれたり(運動不足でエネルギーが使われずに余っている)すると、配達屋さんは困ります。

そんなストレスフルな仕事環境が続くと、やがてヘトヘトに疲れてパフォーマンスが低下してしまいます。

これがインスリン抵抗性の仕組みです。

 

インスリン抵抗性が生じる、つまり体の中の配達屋さんが疲弊してしまうと、エネルギーの配達がうまくいかなくなります。

 

エネルギーのもとは糖質・脂質ですから、糖質や脂質の配達が上手くいかなくなり、体に蓄積されていきます。

その結果、糖尿病や脂肪肝という病気を発症するのです。

 

糖尿病と診断されると、様々な薬が始まります。

糖尿病薬にはいろんなタイプのものがあります。

配達屋さんの力を強めたり、数を増やしたり、重たい荷物を小分けにしてあげたり、または荷物の一部を捨ててあげたり…。

しかしいずれも根本的な解決ではないんです。

なぜなら、どんな薬でもやめれば元に戻ってしまうからです。

 

そして脂肪肝については、そもそも有効と思われる治療薬は存在していません。

そのため病院を受診しても、「ダイエットしながら様子を見ていきましょう」といわれるだけです。

 

糖尿病と脂肪肝に対して最も有効な治療は、次の2つです。

  • 食べ過ぎないことで配達してもらう荷物を控え目にする。
  • 適度に運動することで荷物をため込まず、きちんと受けとれるようにしてあげる。

こうすることでヘトヘトに疲れた配達屋さんを休めることができ、再び荷物の配達がスムーズに行われるようになるのです。

 

もし「食べ過ぎたー」と感じたら、次の食事は軽くして、配達屋さんを休ませてあげてください。

 

その優しさが、生活習慣を見直す最初の一歩になると思います。